久しぶりに飛行機オタクの内容です。
先日、お客様との会話で飛行機の話になり、
「航空機内で絶対に使ってはいけないけれど設置されている物」
があると話したら驚いていたので、
その使ってはいけないけれど設置されている物の話です。
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それは、多分、空の旅をした方は一度は目にした事があると思います。
その物は、視界に入るものの記憶にも残っていない方が多いと思います。
航空機のOVERHEAD COMPARTMENT（オーバーヘッド・コンパートメント）（座席上の荷物入れ）には、このようなシートベルト着用サインと、禁煙のサインが出ています。
昔は、航空機内でも喫煙出来ましたが、現在では安全上や社会性の問題から世界的に航空機内は禁煙になっています。
しかし、航空機内のラバトリー（トイレ）には灰皿が設置されています。
機種によって若干異なりますが、灰皿はトイレのドアのカギ周辺に設置されています。
航空機内の灰皿設置は、FAA（Federal Aviation Administration（連邦航空局）によって義務付けられているんです。
連邦規則集の航空機の耐空性に関する項目に、
「洗面所には独立式の取り外し可能な灰皿をドアの周辺の目立つ位置に設置すること。」
「トイレに灰皿が設置されていないと航空機は空港から離陸することは出来ない。灰皿は必須である。」とあります。
理由は、一部の人はフライト（キャビン）アテンダントが禁煙のアナウンスをしても、安全ビデオや安全のしおりで禁煙を掲げても、警告サインで表示しても、タバコを吸ってしまうからです。
「喫煙してしまう人がいるから、吸い殻を適切に処置できる場所を用意しておかなければならない。」
と決められているんです。
実際に航空機内でタバコを吸ったら、大変な事になりますが・・・
去年の12月9日、福岡から台湾の桃園空港でバンコク行きのチャイナエアライン（中華航空）に乗り継いだ日本人男性3人が持ち込んだ酒を飲み、トイレで喫煙するなどのトラブルが起こしました。
チャイナエアラインは、安全を考慮して航空機は離陸してから約30分後に桃園空港に引き返し、3人は航空機から降ろされ、航空警察局に引き渡されました。
約240人の乗客は、約4時間遅れで桃園空港からバンコク・スワンナプーム空港に再出発しました。
海外で大迷惑をかけた日本人3人は、謝罪もなく翌日バンコクに旅立ったそうですが・・・
後日、チャイナエアライン側が損害賠償請求を行う事を発表していました。
航空機内は、一回空港に着陸するだけで着陸料や駐機している時間も駐機料が取られます。
「CI835は14時56分（日本時間、以下同）に台北を出発、1時間後の15時50分に台南沖で引き返し、17時31分に台北に戻った。」
とあるので、バンコクまでの燃料がタップリあったので海上で廃棄してから着陸しているので、燃料代もバンコクまでの分が2フライト分かかっています。
（ほぼ満タンの燃料が残っている状態では重量がありすぎて、着陸するのが危険なので燃料は廃棄しなければ下りられないのです。）
航空機は、1時間で2～4tなので燃料代だけでもかなりの額です。
4時間遅れると折り返し便にも影響が出るので、被害額は1千万くらいだと思いますが・・・
チャイナエアラインがいくら請求するか分かりませんが、全額請求すれば良いと思います。
1973年7月11日 ヴァリグ・ブラジル航空820便墜落事故がフランス・オルリー空港の近辺で起こりました。
午後2時58分に「キャビンで火災が発生した」と管制塔にエマージェンシーが入り、緊急着陸の準備が進めらました。
しかし、火の勢いが強くコックピットの計器類も見えない状態になり、空港手前5km地点に不時着しました。
不時着の際に脚と左翼が折損し、エンジンは脱落、500m暴走した後に炎上・・・
この事故で乗員17名乗客118名の135名のうち124名が犠牲になりました。
犠牲者のうち、シートベルトをしていなかった航空機関士のみが外傷による死亡でしたが、その他123名の死因は火災で発生した一酸化炭素ないし有毒ガスを吸引して不時着以前に亡くなっていたそうです。
事故原因は、 火元は客室後部右側のトイレの洗面ユニットが疑われたが、具体的な原因は特定出来なかったそうですが、乗客による煙草の不始末ないし電気系統の欠陥とみられています。
ヴァリグ・ブラジル航空820便の事故の後、FAA（連邦航空局）は耐火性ゴミ箱の設置、可燃性物質の排除、トイレ内の喫煙禁止を乗客に周知させる仕組みを求める改善命令を発令。
その後、トイレ内の可燃性物質の排除、トイレ内への煙探知機の設置、万が一喫煙した際に使用するための灰皿の設置、耐火性ごみ箱の設置が世界各国で進められました。
航空機内で火災が起こると、無事に着陸出来る確率はかなり低くなります。
灰皿が設置されていても、絶対に使ってはいけない灰皿なのです。
灰皿は、空の旅をより安全にする為にあるんです。
明日から、またいつものbefore→afterを書きます。
ありがとうございました。
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